北大、長寿ネズミからiPS細胞を作成

ガンになりにくく、平均寿命が28年と長寿なことで知られるハダカデバネズミの皮膚から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を初めて作成したと、北海道大学の三浦恭子講師らが発表した。英科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』に10日付で掲載された。

さまざまな細胞に分化できるiPS細胞は、京都大学の山中伸弥教授らが2006年にマウスの皮膚細胞から初めて作成し、翌年には人間の皮膚細胞からも作成に成功した。しかし、目的とした細胞に分化する際に未分化なものが混ざったり、遺伝子に傷がついたりするとガン化してしまうことが知られていた。

今回、ハダカデバネズミから作成したiPS細胞を調べてみると、ガン抑制遺伝子「ARF」が活性化しており、ガン化しなかった。詳細なメカニズムのさらなる研究は、より安全でガン化しにくいiPS細胞の作成に寄与すると共に、ガンになりにくいハダカデバネズミの特徴にも新たな光を当てると期待されている。

画像提供:北大遺伝子病制御研究所
 

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