地球大気全体でCO2濃度が400ppmを突破 JAXAなど

環境省、国立環境研究所、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」による地球大気全体の月別二酸化炭素(CO2)平均濃度が、昨年12月に初めて400ppmを突破したと発表した。

2009年5月から今年1月までの観測データを解析したところ、昨年12月に初めて400ppmを超えて400.2ppmとなった。今年1月も401.1 ppmとなり、北半球の冬季から春季に向けて濃度の増加が観測された。

世界気象機関などが発表する月平均濃度もすでに400ppmを超えているが、これは地表面での測定値。「いぶき」は地表面から上空約70kmまでの大気中の二酸化炭素の総量を観測でき、その月平均濃度が400ppmを超えたことが初めて確認された。地表でだけでなく、地球大気全体で二酸化炭素の濃度が上昇していると言える。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書で、「産業革命前に比べて気温の上昇を2度未満に抑えられる可能性が高いシナリオは、2100年までに大気中の温室効果ガス濃度を二酸化炭素換算で約450ppmに抑える必要がある」としている。ここで示される二酸化炭素濃度も地球大気全体の平均濃度である。今後の地球温暖化のリスクを語る上でも、上空の大気まで含めて把握することが必要不可欠となる。

地球大気全体でCO2濃度が400ppmを突破 JAXAなど
[画像提供:JAXA]

 
(冒頭写真はイメージ)