ドイツで電気自動車に購入支援政策
ドイツ連邦政府は、電気自動車に対する購入補助金支給、免税、充電スタンドの拡充を実施し、環境に負荷の少ない電気自動車の普及支援を推進する政策を決議した。5月19日付のドイツ・ヴェルト紙が伝えた。
今年5月18日以降に電気自動車を購入した場合、購入者は4000ユーロ(約50万円)を購入補助金として得ることができ、ハイブリッド車購入に当たっては3000ユーロ(約37万5000円)が補助金として支給される。これに対して12億ユーロ(約1500億円)の財源が充てられ、連邦政府と自動車メーカーが折半する形となる。
この制度導入により連邦政府は、30万台の電気自動車販売を見込んでおり、補助金制度は財源がなくなり次第終了する予定。この期限は遅くとも2019年6月30日までと見られている。同制度にはドイツメーカー以外の外国自動車メーカーも参加でき、購入者は個人に限らず、企業、基金、社団法人、NPOでも可能。
さらに、電気自動車に対する自動車税免除期間をこれまでの5年から10年に延長。3億ユーロ(約356億円)の予算をかけて国内1万5000カ所に新たな充電スタンドを設置し、これまで充電インフラ不足の不安から電気自動車購入に踏み切れなかった消費者に対応するとしている。
環境政策として導入される今回の電気自動車支援政策だが、昨年、大手自動車メーカーのフォルクスワーゲンが排ガス不正スキャンダルを起こして消費者不信をもたらしたこともあり、多大な利益を上げている自動車メーカーへの財政支援となる同政策に、批判の声も挙がっている。