オバマ大統領、ベトナム・ハノイでの演説で人権問題に触れる
オバマ米大統領は24日、ベトナム・ハノイで行った演説で、ベトナムの人権問題に言及した。米「CNN Politics」が同日報じた。
オバマ氏は「人権は安定への脅威ではなく、補強するもの」とし、「言論と表現の自由は経済の燃料となる」と述べた。そしてベトナムが「より強くなり、栄える」ために、言論の監視を緩和すべきだと述べた。数人の人権活動家について、この会合に参加することをベトナム政府が認めなかったことにも触れた。
南シナ海の問題については、「平和的な解決」を求めた。「米国は領有権の主張はしないが、航行の自由などの重要な原則を守ることにおいては各国と連携をとる」とした。
ベトナム戦争についても言及し、「ここで戦った人々の犠牲に敬意を表するが、両国の関係は今新たな段階に至った」と述べた。また、環太平洋パートナーシップ(TPP)については、経済発展における重要性を述べ、支持を表明した。
オバマ氏は翌25日にはホーチミン市を訪れ、東南アジアのリーダーシップの発展とネットワークづくりの強化のために2013年に設立された「青年東南アジア・リーダーズ・イニシアティブ(YSEALI)」のメンバーと会合を開いた。リーダーになるためにどうすればよいかアドバイスを求めた質問者に対して、「方法はいろいろあるが、情熱的になれるものを見つけ、すべてのエネルギーと努力をそこに注ぎ込むこと」を勧め、「最も良い価値観を反映させるように世界を変えることができるし、地域を良い方向に変えることができる」と述べた。(米「ボイス・オブ・アメリカ(Voice of America)」が25日に報じた。)
ホーチミン市では他に、観光地の玉皇寺(Chùa Ngọc Hoàng)などを訪れた。同寺では僧侶に、男の子が生まれるために像に祈るよう促されたが、「私は娘が好きです」と答えたという。
オバマ大統領は25日にベトナムを離れ、伊勢志摩サミット参加と広島訪問のために日本へ向かった。
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(写真はイメージ)