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5月29日は「幸福の日」 幸福度ランキング1位は? ブータンは?(後編)

日本政府の「生活の質に関する調査」

日本では内閣府が「生活の質に関する調査」の中で、自分がどの程度幸せかを0から10で回答させている。2013年の調査では、その平均は6.68となった。

ブータンの2015年版の内訳をより詳しく見ると、「とても幸せ」は8.4%、「まあまあ幸せ」は35.0%、「少し幸せ」は47.9%、「幸せでない」は8.8%であり、仮にそれぞれ10点、7点、3点、0点として、平均点を出してみると、4.727点となる。

また、住友信託銀行は2009年8月に、日本のGNHをブータンと同様の指標で算定した調査報告を出している。それによると、日本のGNHは1990年を100%とすると、2000年は104%、2007年は109.0%となる。実質1人当たりGDPが1990年を100%とすると2000年に109.5、2007年に121.3%となっているのを踏まえると、経済成長ほどに上がっていないといえる。ただし、日本とブータン、そして他の国とのGNHの比較は行っていない。

WIN/GIAの「純粋幸福度」

幸福度のランキングとして他に、「ワールドワイド・インディペンデント・ネットワーク/ギャラップ・インターナショナル・アソシエーション(WIN/GIA)」(前編で触れた世論調査を行うギャラップ社とは別の組織)が出す年末調査での「純粋幸福度」がある。これは、自分が幸せと思うかを「とても幸せ」「幸せ」「幸せでも不幸でもない」「不幸」「とても不幸」の5段階で回答させ、「とても幸せ」と「幸せ」の割合の合計から「不幸」と「とても不幸」の割合の合計を引いたもの。

第39回となる2015年版では、1位から順にコロンビア、フィジー、サウジアラビアと、全く違う顔ぶれとなっている。このランキングは純粋に「楽観的な国民性」を表しているという見方がある。ちなみに、世界全体の純粋幸福度は56%。「とても幸せ」と「幸せ」の合計は66%で、前年の70%から下がってしまっている。なお、前編の国連の幸福度で上位に入っているスイス、ノルウェー、そして前編で触れた「幸福の国」ブータンは、調査対象に入れられていない。

トップ10と主要国・地域の順位は以下の通り(括弧内は2015年の純粋幸福度)。

1位 コロンビア(85%)
2位 フィジー(82%)
3位 サウジアラビア(82%)
4位 アゼルバイジャン(81%)
5位 ベトナム(80%)
6位(同率) パナマ、アルゼンチン(79%)
8位 メキシコ(76%)
9位 エクアドル(75%)
10位(同率) アイスランド、中国(74%)

17位(同率) デンマーク、フィンランド(66%)
23位(同率) カナダ、オランダ(60%)
28位(同率) 日本、スウェーデン(52%)
30位 ロシア(50%)
39位 韓国(46%)
42位 米国(43%)
47位 ドイツ(40%)
54位 英国(37%)
57位(同率) フランス、イタリア(33%)

このように「幸福」は、測る尺度によって様々な捉え方ができる。自分は今幸せなのか、自分はどうなれば幸せだと言えるのか、再考してみる機会とするのもいいかもしれない。

 
参考記事
5月29日は「幸福の日」 幸福度1位は? ブータンは?(前編)(2016/05/29)
国連の幸福度ランキング、日本は46位 1位は? ブータンは?(2015/05/06)

 
(写真はイメージ)

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