ドイツ 上がらない在宅オフィス率
会社に勤務しながら在宅オフィス形態で仕事する人の割合が、EU西側諸国の平均で17%に上っているのに対し、ドイツではこの割合が11%と低いことが明らかになった。5月25日付のドイツ・ヴェルト紙が報じた。
アレンスバッハ世論調査研究所の調べでは、小さな子どもがいる夫婦の場合、在宅オフィス形態で仕事をすることで、出勤時間および保育園の送り迎えの時間を省き、週平均4.4時間を節約することができるとしている。欧州各国では、スウェーデンなどのスカンジナビア諸国で在宅オフィスの普及率が高く、割合は27.5%に上っている。オランダでは2015年から、1週間に1日在宅オフィスで仕事をする権利を被雇用者に認めており、ドイツでもこの制度の導入をリベラル派の緑の党が推奨している。
同調査では、フレキシブルな労働形態は生産性と被雇用者の満足度を高め、家庭生活と仕事の調和をはかり、労使双方にメリットのある状況を生み出すとして、在宅オフィスの利便性を強調している。
ただしドイツでは在宅オフィスの普及には企業側がしり込みをしており、88%が「社員には会社にいてほしい」と回答。61%が「社員が常に連絡のつく状態にいないことに不具合を感じる」としている。一方、被雇用者側も、「出勤することで仕事とプライベートを分けたい」として、在宅オフィス形態をあえて望まない人が多数を占めている。
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