多摩川を463万匹のアユが遡上 高い水準が続く
東京都によると、今年度の多摩川のアユの推定遡上数は463万匹で前年より約28万匹増加しており、高水準の推定遡上数が引き続き確認された。
都では1983年から毎年、多摩川下流部でのアユの遡上状況を調査している。今年度の調査方法は、3月22日から5月31日までの期間に、設置した定置網に入網したアユの数を毎日実測し、定置網への入網率から全数を推定するというもの。
調査を始めた1983年は18万匹。2010年までは多い年でも100~200万匹だったが、2011年には約800万匹に急増し、2012年は1194万匹に達した。その翌年からは減少したものの、毎年400万匹を越える遡上数となっている。
アユは都民や釣り人からの関心が高く、水産資源としても重視されている。都は、滞留するアユを上流に運搬・放流する試みなど、この調査結果を多摩川流域の水産業振興のために活用していく。
アユは全長20cm程度で体側前方に黄色い斑紋がある。春~夏は河川上・中流域で主に付着藻類を食べて成長し、秋に中流域下部まで降下して産卵する。ふ化した仔魚は沿岸域まで下り、冬季にプランクトンを食べて成長した後、3~5月にかけて河川に遡上する。北海道から九州まで幅広く生息する。
(写真はイメージ)