オバマ大統領も食べたベトナム料理! ベルリンでブンチャーめぐり
当サイトでも紹介されたオバマ大統領の歴史的なベトナム訪問とともに、一気に有名になった感があるハノイのソウルフード、ブンチャー。実はドイツの首都ベルリンでは近年、おしゃれで手ごろなベトナムレストランが急増中だ。ドイツにはかつて、社会主義体制となったベトナムを逃れて1970年代後半以降に西ドイツへ亡命したベトナム人と、同じ社会主義体制の同盟国だった関係から契約労働者として東ドイツにやってきたベトナム人とがおり、そんな彼らがもたらしたベトナム文化が今、ベルリンで花開いている。
さて、今回はオバマ大統領にちなんで、「ベルリンのベトナムレストランでブンチャーめぐり」をしてみた。
ベトナム風つけ麺と言われるブンチャー。本場ハノイでの正しい食べ方は、魚醤や酢の入った甘酸っぱいタレをお茶碗くらいの器に入れ、炭火焼した豚肉や揚げ春巻き、つくね、香草とブン(米の細麺)を取り分けて食べるというもの。これがところ変わってベルリンになると、どんなふうに出されるのだろうか?
まず1軒目のお店、ミッテ地区にある「Con Viet」。炭火焼された香ばしい豚バラ肉が添えられており食欲をそそる。しかし香草が若干少な目。そしてなんと、すべての具が1枚の平たいお皿に盛り付けられて出てくる(冒頭の写真)。
「どうやって食べるんですか?」とベトナム人の店員さんに尋ねると、「タレを全体にかけてください」と言われ、フォークとスプーンで全体をかき混ぜながら食べた。お値段は6ユーロ(約720円)。炭火焼豚肉がおいしくて満足度は高かったが、やや食べにくかった。
2軒目は、同じくミッテ地区にある「Soup’n Roll」というお店。ここでも1番目のお店同様、麺の上に具がすべて盛り付けられて平たいお皿に載って出てくる。そしてここでは、炭火焼豚肉でも揚げ春巻きでもなく、白身魚のフライが添えられていた。ヘルシーな感じだが、ブンチャーに期待する「ガツン」とした感じが足りない印象。麺の量も少な目だった。ここのお値段は6.50ユーロ(約780円)。
そして3軒目は、シェーネベルク地区にある「Pho Viet Phat」。ここでは大きめのどんぶりに、麺と香草などの生野菜、揚げ春巻きと砕いたピーナッツなどが盛られている。タレはどんぶりの底に入っていてかき混ぜて食べるので、つけ麺というより混ぜ麺だ。たっぷりの香草、揚げ春巻きのコンビネーションが絶妙で、タレの味、全体の分量もちょうどいい感じ。お値段は5.90ユーロ(約708円)だった。
バランス的に一番満足度が高かった、「Pho Viet Phat」のブンチャー
以上、ベルリン・ブンチャーめぐりの旅を終えた感想としては、「ブンチャーはドイツで、サラダ扱いされているような気がする」ということ。つけ麺というものが食文化の中にないドイツ人向けには、サラダとして認識してもらうのが手っ取り早いのだろう。
しかし私は、ドイツでのつけ麺文化普及のために、次回からブンチャーが平皿に盛り付けられて出てきたら、「お茶碗をください」と主張したいと思う。
※1ユーロ=120円で換算。(2016年6月12日時点)
店舗情報
①Con Viet
Münzstr. 3, 10178 Berlin
②Soup’n Roll
Torstr. 117, 10119 Berlin
www.soupn-roll.de
③Pho Viet Phat
Bülowstr.9, 10783 Berlin
www.phovietphatberlin.de