「昨日のパン」を売るパン屋さん
日々の糧の代名詞であるパン。パンの消費量が欧州一と言われるドイツでは、パン屋の数も多く、まさに日々の生活に欠かせない食品の代表だ。
そんなドイツの首都ベルリンに、「セカンド・ベック」が開店したのは2001年のこと。なんとこのパン屋さん、1日前のパンを売るという「パンのリサイクリングショップ」なのだ。通常のパン屋の店頭に並ぶパンは、その日の朝にできた焼きたてのパン。しかしこれらのパンは1日経つと、賞味期限は切れていないのに商品価値を失う。実に25%のパンが廃棄されて家畜の飼料などに使われているのだという。そんな消費社会の矛盾から発想を得て、「セカンド・ベック」は誕生した。
若い家族世帯の多いベルリン・プレンツラウアーベルク地区にある店舗は、カウンターだけの小さな店構え。毎日、契約しているオーガニックのパン屋さんから買い付けてきた「昨日のパンやケーキ」が、通常価格の20~30%引きほどの値段で販売されている。客層の印象は通常のパン屋とほぼ変わらない。同店のコンセプトに賛同した、ちょっと意識の高いふつうの人たちが買いに来るらしい。
Second Bäck(セカンド・ベック)
Paul-Robeson-Str. 40
10439 Berlin
10:00-19:00(土曜9:00-15:00)
*日曜休み
ハート形のチョコチップ入り菓子パン(90セント)。表面が少し乾いていたけれど、味は悪くなかった