ライチョウの卵8個を追加採取 人工ふ卵が開始
環境省は21日に乗鞍岳(長野県・岐阜県)で国の天然記念物で絶滅危惧種のライチョウの卵8個を採取し、富山市ファミリーパーク(富山県富山市)と大町山岳博物館(長野県大町市)へ各4個を輸送した。本年度のライチョウの卵の採取は、4日に採取して上野動物園に輸送した分と合わせて12個となった。各施設に送られた卵はふ卵器に入れられ、人工ふ化を開始する。ライチョウの卵は通常は抱卵開始から22~23日でふ化するため、順調にいけば6月末頃にふ化する予定。
ライチョウ繁殖飼育事業は現在、飼育技術確立の過程にあり、安定した飼育群を確保して野生に返すことが最終目的。富山市ファミリーパークの山本茂行園長は、「おそらく何十年単位あるいは百年単位で続けなければならない息の長い仕事となるでしょう。多くの関係者が連携して取り組まねばこの目的は達成できません。命を預かり繋いでいく『いのちの博物館』として最終目的の実現のためにあらゆる分野で貢献したいと思います」とコメントしている。
富山市ファミリーパークに到着しライチョウ舎へ卵を運び込む様子
画像提供:富山市ファミリーパーク
参考記事
ライチョウの卵を採取、上野動物園へ(2016/06/11)
ニホンライチョウ繁殖飼育事業 大町山岳博物館も参加へ(2016/05/19)