英国EU離脱で欧州サッカー界騒然 英プレミアリーグにも影響
23日に実施された国民投票で英国は「EU離脱」を決めた。このニュースが世界を揺るがしたとき、おりしも欧州ではサッカー欧州選手権(ユーロ2016)がフランスで熱く開催されている真っ最中、サッカー界も騒然となった。25日付のドイツ・ヴェルト紙が報じた
「国民投票の結果が50:50になったら、やっぱり最後はPKで決めるんだよな?」
投票結果が発表される前、そんな冗談を飛ばしていたのは元イングランド代表選手、英国サッカー界のレジェンド、ゲイリー・リネカー。それが、ふたを開けてみたら「EU離脱」という結果に、リネカーは思わずこう口走ったと言う。「なんてこった! 俺たちは自分の子供や子孫を見殺しにしたようなものだ」。
たとえばサッカーひとつをとっても、EU加盟国のスター選手なしにプレミアリーグは成り立たないと言われている。世界に冠たる英国サッカー・プレミアリーグの外国人枠には厳しい規定がある。移籍前の24カ月以内に国際Aマッチに一定パーセント以上の出場歴がなければならず、また、出身国のFIFAランキングも問われる。これらの条件を満たさなければ労働ビザが下りないのだ。これまで、EU加盟国出身選手はこの条件から除外されていたが、英国のEU離脱によって、プレミアリーグの質が低下することが懸念されている。なぜなら、この条件を満たしていないEU出身選手が、プレミアリーグには100人以上いるからだ。これらの選手を大量に失うことになれば、スポンサー収入およびテレビの放映権にもじかに響いてくると見られている。
これから2年の移行期を経て、英国のEU離脱が具体的に実現し、生活の中で目に見える変化が起こるとされている。ちなみに、国民投票の結果が明らかになった24日金曜日の朝、英国で最も多かったグーグルの検索ワードは「英国EU離脱(Brexit)」関連と並んで「金の購入」だったという。
(写真はイメージ)