福島県の大内宿、ネギ1本で食べる「高遠そば」
福島県南会津下郷にある宿場「大内宿」は、重要伝統的建造物保存地区に指定されている。ここの名物はネギを箸がわりにして食べる「ねぎそば」。高遠そばとも呼ばれている。会津藩主が育った長野県の高遠から持ち帰ったという辛味だいこんのそばを、ネギ1本で食べる。かやぶき屋根がトレードマークの大内宿の入り口からほど近い「三澤屋」に入った。
のれんをくぐり、三和土を上がると囲炉裏があり、その席に着いて高遠そばを注文。最初にサービスの小鉢が2つ出てきた。白菜の浅漬けと、大根と車麩の煮物だ。ほど良い塩分に癒される。食べ終わった頃に、真打が登場。地粉100%の冷たいそばに醤油と大根おろしとかつおぶし、それにネギが1本というシンプルさだ。ほとんどの人がこの高遠そばを注文していた。皆、どのように食べているのかあたりを見回すと、ちゃんとネギでそばをすくって食べていた。
私はといえば、右手に箸を持ちそばをすすり、左手にネギを持ってかじりながら食べてみた。そば、辛味大根、かつおぶし、ネギ、すべてが調和を成し、絶妙なハーモニーを奏でている。そば一杯でなんとおおげさな、と思われるかも知れないが、他では味わえない味覚だ。ネギは近隣の明津という農家でねぎそば専用に栽培しているという、徹底的なこだわりぶり。価格は1080円。土日は2~3時間の渋滞を覚悟しなければならないほどの人気だ。お昼時を外して午後2時過ぎに行くことがおすすめだ。
【店舗情報】
三澤屋
福島県南会津郡下郷町大内字山本26-1
TEL:0241-68-2927
http://www.misawaya.jp/
営業時間 10:00~17:00
サービスの小鉢。白菜の浅漬け、大根と車麩の煮物。絶妙な塩分が癒される