スパコン「京」、複雑な計算能力で世界1位
理化学研究所のスーパーコンピューター「京」が、最新のビッグデータ処理(大規模グラフ解析)に関する世界的なスパコン性能ランキング「Graph500」で、2016年6月の最新ランキングで1位を獲得した。13日、スパコン「京」を使った国際共同研究グループ(九州大学、東京工業大学、理研、バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、富士通)が発表した。
また、単純な計算速度では、「京」は2011年以降1位の座から落ちて最新ランキングでは5位となっているが、複雑な計算の性能ランキングでは2015年11月から1位を奪取し、3期連続1位を死守していることも分かった。なお、6月の最新ランキング2位は中国の「神威太湖之光」で、単純な計算では世界1位を獲得した。3、4位は米国の「Sequoia」と「Mira」、5位はドイツの「JUQUEEN」となった。
スパコンで実際の社会現象を解析する場合、単純な計算式のスピードでなく複雑な計算式を解けることの方が有益とされている。「Graph500」はそのような実社会への応用を鑑みた計算スピードを競うスパコンランキングだ。応用範囲は例えば、脳に障害を受けた人の状態を判別して解決策を探る脳神経科学での神経機能の解明や、サイバーセキュリティや金融取引でのセキュリティ性能向上に向けた解析など幅広い。
「京」 は、2009年の民主党政権による事業仕分けの際、「仕分け人」だった蓮舫議員が「2位じゃダメなんでしょうか?」と発言し、スパコン開発予算を削減したことで話題となった。
(写真はイメージ)