お家ごはん風食堂(1)ゲストハウスの食堂
外食が続くと、体がつらくなってくるのはなぜだろう? だれかが個人的に作ってくれる「お家ごはん」のおいしさには、愛があるからなのだと気づいたのは、30代になってからだったと思う。
仕事でずっと外出が続き、なおかつ外食が続くとき、私は本能的に「お家ごはん風」の食事ができる食堂を探し始める。今回ベルリンでたどり着いたのは、若者向けゲストハウスの食堂だった。
ベルリン中央駅裏にある「ユーゲント・ゲステハウス」は、ホームレス支援や難民支援をしているベルリナー・シュタットミッシオーン(BS)が経営する宿泊施設。ごくふつうの若者向けゲストハウスだが、冬場はこの建物の一部が、ホームレスの人たち向けのシェルターとして使われている。ここの1階にある宿泊客向けの食堂は、BS職員の人たちの社員食堂としても機能しているのだという。
毎日2種類の日替わりメニューがあり、盛り付けは各自のセルフサービスとなっている。お値段は100gにつき1.10ユーロ(約128円)。サラダバーは、小皿が1ユーロ(約117円)、大皿が2ユーロ(約234円)だ。この日は肉団子の煮込みとジャガイモ、ブロッコリーを組み合わせてみた。これで4.50ユーロ(約526円)。デザートのフルーツは1個50セント(約58円)だ。
地元の人が毎日ごはんを食べる食堂。そのことから生まれる安心感が料理の味にも反映されていて、旅人がほっとできる家庭料理の味わいがあった。ドイツ人は、平均的に1日に1食しか温かいものを食べないと言われている。その貴重な1食は、往々にして社員食堂や学食で食べるお昼ごはんであることが多い。こういう食堂のごはんがおいしいことの、ささやかな幸福感を感じた。
※1ユーロ=117円で換算(19日時点)
ユーゲント・ゲステハウス
Jugendgästehaus Hauptbahnhof
Lehrter Str. 68
10557 Berlin
Tel: +49-30-3983500
www.jgh-hauptbahnhof.de
*食堂のランチタイムは12:00~13:30(宿泊客以外も利用可)