写真をブログやSNSに掲載する際にはご注意を
情報処理推進機構(IPA)は「ゴールデンウィーク(GW)の行楽写真を投稿する際にはご注意を ~ ブログやSNSに投稿した写真からプライバシー漏えいの可能性」という2015年5月の呼びかけを4月27日に公開した。GW中の行楽写真などをネットに掲載する際に、思わぬトラブルに巻き込まれないよう、注意が必要だ。
<写真から場所が特定される>
デジタルカメラで撮影した写真には、「Exif(イグジフ)」という撮影日時や撮影機器のモデル名、絞り値や露出時間、焦点距離といったカメラの設定情報が自動的に付加される。パソコンで写真を選択してプロパティを表示し、詳細を見れば、どういった情報が付加されているか確認できる。このExifにGPSによる位置情報が含まれている場合がある。GPS情報なので、10mと誤差のない正確なピンポイントの位置情報だ。
「この写真はどこで撮ったんだっけ?」という場合には役立つ情報だが、この位置情報を含んだままネットにアップしてしまうと、誰でもその写真が持つ位置情報を調べることができてしまう。自宅で撮った写真であれば、自宅の位置が特定されてしまうのだ。幸い、ツイッターやフェイスブック、アメブロといったサービスでは公開時に自動削除してくれるが、掲載前に自分で位置情報を消すか、あらかじめ位置情報を付けないように設定しておくのが望ましい。
GPS機能が搭載されているスマートフォンは、デフォルトで位置情報を付加する設定になっている。位置情報をオフにするには、以下のような設定を行なうといい。
【iPhoneの場合】「設定」→「プライバシー」→「位置情報サービス」で「カメラ」を「オフ」に
【Androidの場合】カメラアプリを開く→メニュー→設定→設定→「GPS」タグを「オフ」に
位置情報をオフにしていても、写真の背景に写り込んだ情報から位置が特定される場合もある。自宅の窓から夕焼けや虹などを撮影し、写り込んでいるスカイツリーや都庁などのランドマークから自宅の位置が特定されるといった場合だ。自宅からの風景の投稿はやめておく方が良いだろう。
<一緒に写り込んでトラブルに>
IPAが2014年度に実施した調査で、「友人と一緒に写った写真を勝手に自分のブログに貼り付けて公開」という行為に問題意識を持っていたのは29.7%だった。多くの人は、一緒に写った友人に許可を得ずに写真を公開している。「友人であれば許可を得るまでもないだろう」、「共有範囲を友人だけに設定しているから問題ないだろう」と考えているのだろうが、状況によってはプライバシーや肖像権の侵害といったトラブルに発展する恐れがある。共有範囲を友人だけに設定していても、友人がその写真をダウンロードして再掲載するかもしれない。
特に、公共の場所で撮影した場合、背景に居合わせた人の様子や、絵画やポスターなどの著作物が写り込んでいる場合がある。この場合は、プライバシーや肖像権の侵害だけでなく、著作権の侵害などのトラブルに巻き込まれる恐れがある。
撮影時に被写体の背景に余計な写り込みがないように留意し、それでも被写体の背景に写り込んでしまった人物や著作物などがある場合、問題を引き起こさないか公開前に考えよう。不要なものが写り込んでいるのなら、写真を加工するというのも一案だ。