殺処分寸前で救われた犬、命を救う犬となりネパールで救助活動
NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が殺処分となる寸前に引き取り育成した災害救助犬「夢之丞(ゆめのすけ)」が、ネパール地震の被災者支援のため、現地で行方不明者の捜索活動に参加した。4月28日から5月3日まで、もう一頭の災害救助犬ハルクとともに、カトマンズ北部、バクタプール、カトマンズから東へ70km離れたシンドゥパルチョーク郡、さらにヘリでしかアクセスできない中国国境付近の町リピンまでも赴いた。今回行方不明者は発見できなかったが、車や家が崩落した巨大な岩石に押し潰された山間部の町で、最後まで最善を尽くして捜索活動に従事した。
夢之丞は、2010年11月24日、広島県動物愛護センターで殺処分となる寸前、ピースウィンズ・ジャパンのスタッフに引き取られた。「一度捨てられた犬が命を救う」を目標に、訓練を受けて災害救助犬となり、2014年8月の広島県の土砂災害に救助犬として初出動。行方不明者1名を発見し、活躍していた。年間12万8000頭の動物が殺処分される日本の現状に、大きな示唆となる事例として、PWJとともに、「第7回日本動物大賞」の功労動物賞も受賞した。
PWJは、「人を助ける犬」である災害救助犬やセラピー犬の育成とともに、犬の殺処分ゼロを目指す運動に取り組んでいる。
画像提供:ピースウィンズ・ジャパン