短い夏の楽しみ方 スイス (1)レマン湖畔の夏の風物詩「ジュネーブ・フェスティバル」
スイスの夏は短い。日本と同じく四季があるものの、緯度は北海道よりも北に位置しているため、冬が長く、また冬場の雪もかなり深いのだ。雪が溶けて春になり、本格的な夏と呼べるのは7〜8月で、9月にはもうアルプスの山々から秋の訪れを感じるようになる。そんな短いスイスの夏。各地の様子を紹介する。
スイス第2の都市であるジュネーブには、国内最大の湖「レマン湖」がある。このレマン湖の夏の風物詩といえるものが「ジュネーブ・フェスティバル」だ。湖畔周辺には移動遊園地が登場、ショーやコンサート、花火大会が催され、明け方6時から湖畔でクラシックコンサートも開かれる。1920年の始まり以来、90年以上の歴史のあるイベントで、開催期間中には地元ジュネーブの人はもちろんのこと、世界各国から多くの観光客が訪れる。
このイベントの面白いところは、「ジュネーブ・フェスティバル」自体は約2週間のイベントなのだが、フェスティバルの約2週間前からプレイベントなるものが、湖畔周辺の多くの施設で自発的に始まっていくことだ。その結果、プレイベントから含めると、7〜8月の約1カ月間、ずっと湖畔周辺一体ではコンサートなど何かしらのイベントが行われているため、それらも含めて、長期イベントとして定着してしまったという。この1カ月間、レマン湖畔は1年の中で、最も賑やかで熱い時を過ごすのだ。
2016年の「ジュネーブ・フェスティバル」開催期間は8月4~14日。最終日前夜には花火大会も行われる。短い夏だからこそ、明け方から夜更けまで、時を惜しんで徹底的に楽しむジュネーブの人たち。その時にしか味わえない夏を逃さず満喫して、長く厳しい冬に備えたい。そんな気合をも感じた。
イベント期間中は、毎朝6時からクラシックコンサートが行われる
昼間〜夜には、湖畔周辺では移動遊園地やライブなど、様々なイベントが行われる