欧州でドイツだけ「首都がない方がGDP平均上昇」

経済力が首都に集中する国が欧州でも大半を占める中で、ドイツだけが例外的に「ベルリンがない方が、経済力が上昇する」ことが明らかになった。23日付のヴェルト紙が伝えた。

ドイツ経済研究所(IW)はこのたび、欧州14カ国の「首都を除外した場合の各国の1人当たり国内総生産(GDP)」を計算して比較。首都の経済貢献度が最も高かった国はギリシャで、アテネを除外した場合の1人当たりのGDPは19.9%減少することが明らかになった。これに次いで「パリのないフランス」は15%減、「プラハのないチェコ」は14.2%減、「リスボンのないポルトガル」は13.7%減となっている。英国は、同ランキングでは中間に位置しており、ロンドンを除外した場合のGDP減少率は11.2%。「ローマのないイタリア」は最下位から2番目で2.1%減だった。

最下位となったドイツは唯一、首都ベルリンを除外した場合の1人当たりのGDPがプラスに転じ0.2%増加。昨年のドイツのGDPは1人当たり平均3万7099ユーロ(約419万300円)で、ベルリン市だけの平均は3万5627ユーロ(約402万4100円)だった。

欧州各国の首都はベルリン以外、100年以上首都として機能しており、分断も経験していない点を同記事では指摘。ドイツ帝国が存在した19世紀後半には、電機大手のシーメンスやドイツ銀行といったドイツを代表する企業がベルリンで創業しており、ドイツの株式取引の60%はベルリンで行われていたことから、「第二次世界大戦も東西ドイツ分断もなければ、ベルリンは違う発展を遂げていたはず」としている。

※1ユーロ=112.95円で換算。(24日時点)

(写真はイメージ)

 
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