太陽系のお隣さんに惑星の存在を確認

太陽に最も近い恒星として知られるプロキシマ・ケンタウリに、惑星が存在することが明らかになった。英ロンドン大学クイーン・メアリーの天文学者ギエム・アングラダ・エスキュデ氏らのチームが発見し、25日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。

直接、惑星が観測されたわけではないが、恒星の光が約11.2日の周期で変化することから惑星の存在を明らかにした。この惑星「プロキシマb」は地球の1.3倍以上の質量で、恒星の非常に近くを約11.2日の周期で公転している。これだけ恒星に近ければ惑星表面の温度も高そうだが、プロキシマ・ケンタウリ自身が太陽に比べて非常に小さな赤色矮星であるため、液体の水が存在し得る範囲内にある。ただし、惑星表面に実際に水が存在しているかどうかはわかっていない。

また、恒星からの距離が近い分、地球が太陽から受けるよりも強い放射線を浴びている。そして地球から見て月がいつも同じ面を向けているように、恒星から見てプロキシマbがいつも同じ面を向けている可能性がある。その場合、昼の側は絶えず熱せられ、夜の側は常に冷えていることになる。

プロキシマ・ケンタウリは太陽からわずか4.2光年しか離れていない。技術の進歩に伴い、直接プロキシマbを撮影することで、大気中にどんな成分が含まれるのか判明するかもしれない。

スティーブン・ホーキング博士らが進める「ブレイクスルー・スターショット」計画では、切手サイズの超小型宇宙船を地上からレーザー照射することで光速の20%まで加速する。これが実現すれば、プロキシマ・ケンタウリまで約20年で到達できる。昨年の夏、探査機ニュー・ホライズンズが9年かけて冥王星に到達し、通過しながらさまざまな撮影をして、多くの知見が得られたようなことが起きるかもしれない。

太陽系のお隣さんに惑星の存在を確認

画像提供:ネイチャー

 
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