日本野鳥の会、土地を購入してシマフクロウの保護区を設置
日本野鳥の会は、絶滅危惧種で国の天然記念物であるシマフクロウの生息保全のため、北海道十勝地域365.2ヘクタールの森林を購入し、野鳥保護区を設置したと22日に発表。これにより、全つがい数の20%である10組の生息地を確保した。
シマフクロウは全長70cm、翼を広げると約180cmになる世界最大級のフクロウ。環境省のレッドリストで絶滅危惧IA類に入る。極東地域に狭い分布域を持ち、日本では北海道および北方領土に生息する。河川および湖沼で魚類やカエルなどを捕食し、広葉樹の大木の樹洞に営巣する。日本では、森林伐採によって営巣木が減少したことや、河川改修や砂防ダム建設によって餌の魚類が減少したことなどにより、現在は北海道東部の知床、根室、日高地域などで見られるだけとなった。現在はつがい約50組、140羽ほどが生息している。
野鳥の会は1986年から根室、釧路、知床、日高に野鳥保護区を設置してきたが、今回の野鳥保護区は十勝地域初。同会が設置したシマフクロウの野鳥保護区としては最大の面積になる。今後2020年までにつがい13組の生息地保全を目指し、森林の減少に伴い激減した営巣木の代替として巣箱の設置も進めていく。
参考記事
日本野鳥の会、カンムリウミスズメの人工巣による繁殖に世界初成功(2016/7/25)
画像提供:Wikipedia