ご当地自慢を探せ!(4)宮崎が誇る国民的グルメ「チキン南蛮」
筆者が生まれ育った九州には、美味しいものがたくさんあると自負している。肉、魚、野菜、果物などの素材は豊かな自然の中で育まれ、九州という日本の中でも独特な文化や風習の中で受け継がれてきた美味いものたち。そんな九州の「味力」を紹介していきたい。
はじめに自慢したいのは九州の東側、宮崎が誇る国民的グルメ「チキン南蛮」だ。チキン南蛮とは鶏のから揚げを南蛮酢とタルタルソースで味付けした料理である。今や全国にも出回るようになったチキン南蛮だが、その中には「これをチキン南蛮と呼んでいいのか!?」と思ってしまうものがあるのも事実だ。
そこで原点に立ち返るということで、今回はチキン南蛮発祥の店である「おぐらチェーン」のチキン南蛮を紹介したい。宮崎市のほぼ中心にある「おぐらチェーン」はおとぎ話に出てきそうな外観で、店内にはオレンジ色のソファーと個性的なオブジェが並び、独特だかどこか懐かしいレトロな雰囲気が漂う。この店の看板商品であるチキン南蛮は、メインのおかずとライスだけというシンプルさも、ナイフとフォークで食べるスタイルも、昔から変わらない。この日は夏休みの平日の昼間とだけあって、子供連れの家族、昼休み中のサラリーマン、老夫婦などがおり、まさに老若男女に親しまれている地元のレストランである。
注文してから15分程度でテーブルに運ばれてきたチキン南蛮を見て、まず驚くのはその大きさだ。大人が手をいっぱいに広げたくらいの大きさがある。南蛮酢にしっかりと漬けられた鶏肉の上には、たっぷりのタルタルソースが惜しげもなくかけられている。実は、このタルタルソースこそが、チキン南蛮がチキン南蛮たる証であり顔とも言っても過言ではない。宮崎の各家庭ではオリジナルのタルタルソースを作ることも少なくない。また、スーパーにはチキン南蛮用のタルタルソースが売っているほど。決してマヨネーズではその役目を果たせないのだ。
九州を訪れた際には是非、宮崎まで足を運んで、本場のチキン南蛮を味わってみてほしい。
昔ながらの懐かしい雰囲気の店内