ご当地自慢を探せ!(6)バイエルン地方のご当地ファストフード「レバーケーゼ」
ミュンヘンを中心とするドイツ南部のバイエルン地方で、庶民に最も親しまれている手軽なファストフードがレバーケーゼだ。レバーケーゼは、形態や食感はスパムに似た、スポンジ状のランチョンミート。パリッとした皮に包まれてスパイスの利いたソーセージに比べると、形態も味わいもユルい感じ。
レバーケーゼを厚めにカット。その分厚い一切れを丸い白パンに挟んでもらい、たっぷりのマスタードをかけて食べる。これが最もシンプルな「レバーケーゼ・ゼンメル(レバーケーゼを挟んだパン)」だが、これにザワークラウトを挟むか添えるかして食べるのが個人的には気に入っている。
さて、レバーケーゼの「レバー」は肝臓、ケーゼは「チーズ」の意味だが、実はレバーケーゼにはこのどちらも入っていない。ミュンヘン在住のジャーナリスト、熊谷徹さんの著書『住まなきゃわからないドイツ』によると、「肝臓とチーズ以外のあらゆるものを混ぜて作った」という意味らしい。つまり「何が入っているか分からない」ジャンク感がそこはかとなく漂っている訳だが、ついつい、また食べたくなってしまう庶民的な味わいと手軽さこそレバーケーゼの魅力なのだ。