ハノイで「越日大学」開校 ベトナム・日本協力して国際的人材を育成

ベトナム・ハノイで9日、「越日大学」の開校式が開催された。

同大学はベトナム国家大学ハノイ校の一部で、ベトナムと日本の政府や大学が協力して国際的人材を育成することを目指して建てられた。今年は修士課程のみの開講で、72人が入学。将来的に学部生や博士課程も受け入れる予定だ。日本のトップレベルの大学に相当する教育をすることを目標とし、半分以上の学生は日本で3カ月、全額支援の実習(インターン)を受けることができる。現地メディアの「VNエクスプレス(VnExpress)」と「ザンチー(Dân trí)」が報じた。

開講するコースは「地域研究」「公共政策」「企業管理」「環境技術」「ナノテクノロジー」「インフラ技術」の6つ。日本の東京大学、筑波大学、大阪大学、横浜国立大学、立命館大学の5大学が、各コースと提携を結び、教員を派遣する。

ベトナムにおける新しいモデルの大学となることを目指しており、広い視野を持った国際的な人材を育てることに主眼を置いている。「地域研究」以外のコースでは原則として英語で講義が行われる予定。

開校式で、学長の古田元夫氏は新入生に対し、「『越日大学流』の枠組みにはまるのではなく、自分で大学のスタイルを創り出してほしい」と述べた。

式典には他に、二階俊博・自由民主党幹事長、武部勤・元越日友好議員連盟会長、樋口尚也・文部科学大臣政務官、深田博史・駐ベトナム特命全権大使、フン・スアン・ニャ教育訓練相らが参加した。

同大学は、日越国交樹立40周年となる2013年を機に、両政府の決定により建てられることとなった。ベトナムの最高学府とされるベトナム国家大学ハノイ校(別名:ハノイ国家大学)が越日友好議員連盟、国際校協力機構(JICA)、日本ベトナム経済フォーラム(VJEF)と連携して進めた。

ベトナム国家大学はハノイ校とホーチミン市校の2校ある。ベトナムの他の大学と異なり、教育訓練省の管轄下ではなく、首相直属となっている。各校は日本の「大学」に相当し、各校を構成する分野ごとの大学が日本の「学部」に相当するが、日本の学部より独立性が高い。ハノイ校には越日大学の他に「人文社会科学大学」「自然科学大学」「外国語大学」「経済大学」「教育大学」「科学技術大学」の6つの大学がある。

越日大学のキャンパスについては、ハノイ市西部タックタット郡のホアラクに合計75ヘクタールのキャンパスを建設中で、完成まで数年かかる見通し。それまでは仮教室を使う。

画像提供:ベトナム国家大学ハノイ校

参考記事
「越日大学」学長に古田東大名誉教授が就任 ベトナム(2016/5/6)

 
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