ドイツ鉄道が新型ICE4を公開 「安定感」「快適さ」をアピール
ドイツ鉄道は高速特急ICEの次世代モデル、ICE4を公開した。旧型のICE3に比べて最高時速が落ちる一方で、技術面の安定感や車内の快適さをアピールしている。14日付のフランクフルターアルゲマイネ紙オンライン版が伝えた。
新型のICE4は12車両からなり、全長346メートル、座席数は830席で、そのうち205席が1等車、625席が2等車となっている。少人数用に仕切られた一般向けのコンパートメントはなくなり、その代わりにファミリーゾーンや小さな子ども向けスペースが作られた。またICE4は、ICEとしては初めて自転車輸送が可能に。客室車両の窓はこれまでよりも大きくなり、日中は自然光が明るく入るようになっており、照明も時間帯に合わせて変化する工夫がされている。また、車椅子の乗客に配慮して通路の間取りも拡大し、車椅子用の乗車時用リフトも完備。さらに画期的な点としては、これまで問題の多かった空調設備が大きく改善され、全車両で無料のWiFi使用が可能となる。
ICEが初めて登場したのは25年前の1991年。第1世代のICE1の最高時速は280キロで、その後開発を重ねて第3世代のICE3は330キロとなっていた。第4世代となる新型のICE4は250キロと、これまでより最高時速が落ちる反面、加速力の強さや技術面の安定感をアピールしており、「時間に遅れがち」なドイツ鉄道のイメージ回復が期待されている。
ICE4は今年の秋から14カ月間試験運行を行い、2017年12月のダイヤ改正を期に、旧型のICE1およびICE2と入れ替わる形で定期運行される予定。
画像提供:Deutsche Bahn AG