対話・読書・幸福度で語彙力が高まる ベネッセが調査

ベネッセコーポレーション(岡山市北区)は、7月に実施した「第1回 現代人の語彙に関する調査」の結果を15日に発表した。高校生から社会人を対象に、同社が選んだ540語を知っているかどうかなどを調査。多様な年齢層や関係の人々と対話する頻度が高い人、読書量が多い人、主観的幸福度が高い人、社会や言葉への関心が高い人、年収が高い人ほど、語彙力が高い傾向があることが分かった。

高校生は、親世代である40代以上の社会人に比べ、略語や「新語」を多く知っていた。高校生が親世代との比較で「知っている」と答えた割合が最も高かった言葉は1位から順に「ディスる(けなす)」、「イミフ(意味不明)」、「りょ(了解)」だった。逆に親世代が高校生との比較で「知っている」と答えた割合が最も高かった言葉は「阿漕あこぎ」、「イデオロギー」、「忌憚きたん」だった。同じ意味の言葉でも、例えば親世代では8位に「こきおろす」、高校生では1位に「ディスる」があり、世代間で用いる語彙の違いがあることがわかった。

対話する頻度について、高校生の場合は同年代の友だちより学校の先輩・後輩、家族など年齢差がある相手との対話、社会人の場合は職場や仕事関係の人との対話の機会が多い方が語彙力が高いことが分かった。

幸福度については、「自分は現在どのくらい幸福だと思うか」を、10点(とても幸福)から0点(とても不幸)までの11段階で答えさせた。8~10点の人は知っている語彙数の割合が平均70.2%と最も高くなった。読書量については、特にノンフィクションを読む人の語彙力が高かった。

同社は、「社会人は今までに身につけてきた語彙を使う傾向が強いのに対して、若い世代は新しい言葉を次々に生み出し、積極的に使っている」とし、一方で、世代を問わず、言葉をインプットする機会や、多様な人との会話の頻度などアウトプットする機会が多い方が語彙力が高くなった結果に触れ「言葉に触れる体験をいかに増やすかが重要だ」と指摘。語彙力と世帯年収、主観的幸福度に関連がみられたことについては、「因果関係は分からないが、豊かな語彙は社会に対する見聞を広め、よりよい生活につながる可能性が高い」と考察している。

同調査は、全国の高校生1040人、大学生1040人、20~30代の社会人520人、40~60代の社会人530人、合計3130人を対象に、インターネット調査により行った。文章や会話を理解し、表現するために必要な語彙(辞書語彙)や、社会生活で必要な基礎知識・時事知識に関する語彙(新聞語彙)から選び、それぞれの語彙について「知っている」「知らない」の2択で選択させた。一部の語については、正しい意味を選択肢から選択させた。

(写真はイメージ)

 
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