過去7年間で月面に222個の新しいクレーターが誕生
過去7年間で、月面に少なくとも222個のクレーターが新たにできたことがわかった。アリゾナ州立大学のシニア・エンジニアであるエマーソン・シュパイヤー氏が英科学誌『ネイチャー』で12日に発表した。
月の表面にあるクレーターのほとんどは、数百万年前に形成されたものだ。しかし、新しいクレーターも増え続けている。 2011年に米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所のイングリッド・ドーバー氏らは、2009年にNASAが打ち上げた月周回探査衛星ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)が撮影した写真と、アポロ計画の宇宙飛行士が撮影した数十年前の画像とを比較したところ、5つの新しいクレーターを見つけた。 また、2013年に地球上の望遠鏡で天文学者が月面上に明るい閃光を見つけ、その後LROがその場所の上を飛んで、新たに形成されたクレーターを撮影した。
LROは月面の高解像度画像を異なる時刻に同じ場所で撮影している。2009年から今までの7年間で、シュパイヤーさんらは同じ場所で撮影されたが違いがある画像のペアを探し、これら1万4092組を自動的に分析するコンピュータプログラムを用いた。222個の新たに見つかったクレーターは、月の表面全体にランダムに分布しており、直径も2~43mとさまざまだった。
ノルウェー・オスロ大学の惑星地質学者であるステファニー・ヴェルナー氏は「月面基地で隕石が直撃する可能性は比較的小さいが、飛び散った物質が危険をもたらす可能性がある」と述べた。
画像提供:NASA/GSFC/Arizona State University