カーシェアでの鍵の受け渡し不要に トヨタが「スマートキーボックス」を開発
トヨタ自動車は10月31日、カーシェア利用時に鍵の受け渡しなしで車両の貸し借りを可能にする「スマートキーボックス」を開発し、来年1月から米国で実証プログラムを開始すると発表した。
開発、運営は同社の米国におけるコネクティッド領域の研究開発会社、Toyota Connected, Inc.がGetaround社と共同で行い、サンフランシスコ(カリフォルニア州)から始める予定。Getaround社は、米国で個人間カーシェアビジネスを展開するベンチャー企業。
従来、カーシェアでは、車両を改造して特殊な通信装置を設置するか、コンソールボックスで鍵の受け渡しをして鍵の開閉などをしていた。しかし、スマートキーボックスを利用すると、車両にスマートフォンを近づけるとドアの開閉などの操作ができるようになるという。車両の所有者が車内に設置したスマートキーボックスの端末と、利用者がスマートフォン上のアプリを操作し、トヨタスマートセンターから受信した暗号キーを使って認証する仕組みだ。また、操作可能な時刻や期間は利用者の予約内容に合わせてセンターで設定・管理されるため、セキュリティ面の改善も期待される。
まずは米国での実証実験となるが、今後、日本国内ではレンタカーの無人貸出サービスなどへの活用も検討していく予定。
同社は、同時に、カーシェアやライドシェア、レンタカー、タクシー業社との連携を想定した「モビリティサービス・プラットフォーム」構想を推進し、モビリティサービスに関連する様々な企業との開発・提携をスムーズに進める基盤作りを進めると発表した。トヨタ・コネクテッドカンパニー専門役員の友山茂樹氏は「あらゆる企業、サービスとオープンに連携し、新たなモビリティ社会の創造へ貢献する。」と語っている。
画像提供:トヨタ自動車