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ヌテラはスプレッドかデザートか? 米国で論争

パンに塗るスプレッドとして、ドイツをはじめ欧州で高い人気を誇る「ヌテラ」。イタリアの食品メーカー、フェレーロ社が発売している、ヘーゼルナッツペーストをベースにしたチョコレート風味のクリームだ。このヌテラをめぐり、米国で論争が巻き起こっている。5日付の独フランクフルターアルゲマイネ紙オンライン版が伝えた。

「ヌテラはスプレッドなのか? それともデザートなのか?」 米食品医薬品局(FDA)がヌテラに対して疑問を提示している。現時点で米国では、ヌテラはアイスクリームなどに添える「デザート・トッピング」として分類されている。しかし「デザート・トッピング」の場合、1食分が大さじ2杯で計算されることになり、200カロリー、11グラムの脂肪分と表示される。これに対しフェレーロ社は、「ヌテラはハチミツやジャム同様、スプレッドとして分類されるべき」と主張。この分類だと大さじ1杯分が1食分として計算されることになる。

フェレーロ社はヌテラが「デザート」として分類されている理由を、1991年の古い調査に基づいていると指摘。当時、消費者157人を対象に実施したアンケートで、27%が「ヌテラをアイスクリームにのせて食べる」と回答。「パンに塗って食べる」と答えたのはわずか8%だった。しかし2012年に実施された722人の母親を対象にした調査では、74%が「ヌテラはパンに塗るもの」と答えている。

これに対しFDAは米国の消費者に対し公開アンケートを実施。「ヌテラがカップケーキやその他のデザートのトッピングとして使われているかどうか」に対するコメントをオンライン上で募集している。同アンケートは来年1月3日で締め切られる。

ちなみに米国では数年前、ある母親が「ヌテラが健康な朝食であるとアピールする広告は間違っている」としてフェレーロ社に対し訴訟を起こしており、フェレーロ社は和解金として300万ドルを支払っている。

フランクフルターアルゲマイネ紙は、「米国でのヌテラ人気がドイツに比べていまひとつなのは、こういった認識に原因があるのかもしれない」と指摘している。

(写真はイメージ)

 
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