米、トランス脂肪酸の食品添加を禁止、2018年から
アメリカの食品医薬品局(FDA)は16日、マーガリンなどの加工油脂に含まれるトランス脂肪酸について、2018年6月以降に食品への添加を原則禁止すると発表した。これにより、冠状動脈性心臓病や致命的な心臓発作を減らすことが期待される。FDAは13年に規制案を公表し、この度、食品への使用に関して「もはや人間の食事において使用されるべきではない」と結論付けた。
トランス脂肪酸には多くの種類があり、そのすべての合計量を測定するのは難しいため、国によって表示すべきトランス脂肪酸や規制の対象とする範囲を指定している。米国では、多くの食品に適用できる分析法を指定(AOAC Official Method 996.06)し、この分析法で測定したトランス脂肪酸の総量をまとめて表示するよう定めている。
また、デンマークでは油脂の加工でできる炭素の数が14から22までのトランス脂肪酸を規制の対象としており、天然にできるものは除いている。トランス脂肪酸の摂取量が少ない国々では、トランス脂肪酸について表示の義務づけや、上限値の設定は行わずに、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の総量を自主的に低減するように事業者に求めている。一方、日本では平均摂取量が世界保健機関(WHO)の基準値よりも少ないことから、通常の食生活を送っていれば健康への影響は小さいとされ、厳格な規制はない。