AIに”過度な期待”高まる 「よくある誤解」ガートナーが発表
IT調査会社ガートナー・ジャパンが22日に発表した『人工知能(AI)に関する10の「よくある誤解」』によると、「すごく賢いAIが存在する」という誤解が非常に多いことが分かった。
同調査は、同社の顧客に多く見られる誤解を10に分類したもので、「すごく賢いAIが存在する」のほかに、「IBM Watsonのようなものを導入すれば、誰でもすぐにすごいことができる」、「AIを導入するとすぐに効果が出る」、「誰でもすぐに使えるAIがある」といった過度な期待からくるものが多かった。逆に、「結局、AIは使い物にならないため意味がない」と、過度に期待して導入したものの、うまくいかずに諦め、批判するような誤解もあった。
AIへの関心は2016年に急激に高まっており、日本でも「過度の期待」が現在最も多くなっている。同社へ顧客から寄せられる質問には、「どのAIが最も優れているか」など、「すごいAIが存在する」という前提での質問が多いという。これらの誤解に対し、同社は「現時点において、世の中には本物のAIと呼べるものは存在しない」と指摘。実際はAI研究者の中では「人間と同様の知識」を実現できているテクノロジーは存在しないことが「当たり前のこと」であると述べている。
期待が高まっているAIの展望について、同社は「2019年までに60%の日本企業は新たなアルゴリズム開発やAI的なものにチャレンジするが、そのうち80%がテクノロジーでなく人材の問題で行き詰まる」という予測も出しており、高い知識とスキルを持った人材の確保や育成が今後の課題になると指摘している。
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