絶滅危惧種アユモドキを守りたい WWFなど56団体合同で意見書を提出
世界自然保護基金(WWF)ジャパンは16日、京都府亀岡市で計画中の京都スタジアム(仮称)整備計画における絶滅危惧種アユモドキの保護に関して、56団体合同で意見書を提出した。亀岡市に対し、計画のさらなる検討および改善を求めた。
亀岡市で計画中の京都スタジアム建設のためにアユモドキが深刻な脅威にさらされているという指摘を受けて、すでに京都府は当初の建設予定地から変更することを決定。11月下旬には京都府と亀岡市が改訂版となる「亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)の整備計画の策定にあたり考慮すべき基本方針Ver.2」を発表した。改訂版は調査研究の結果や、一帯の水路でアユモドキなどの生息場所を保全する具体策などを含んだものになっている。
今回WWFジャパンなどが提出した意見書では、基本方針改訂版の内容を評価した上で、さらなる検討・改善を求めた。例えば、アユモドキの産卵に必要な水位調整に使われるラバーダムの改修や運用主体者が明記されていない点、同じ場所で進められる都市計画公園と京都スタジアムの整備計画での対応が別々に記載されている点などを挙げている。
アユモドキは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで危機レベルが最も高い「CR(近絶滅種)」にランクされている。日本固有の淡水魚で、琵琶湖・淀川水系と岡山県下の数河川に天然分布し、河川の中・下流域の本流・支流、その連続した水田・水路にすむ。生息域全域で激しく減少しており、現在、淀川水系では京都府亀岡市付近でのみ生息が確認されている。
画像提供:WWFジャパン