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ニホンライチョウの卵がふ化 富山市ファミリーパークと上野動物園

富山市ファミリーパークと上野動物園は、乗鞍岳(長野県・岐阜県)で採取したニホンライチョウの卵がふ化したと発表した。富山市ファミリーパークでは、6月23日に採取した5個の卵のうち4個が6月27日から7月2日までにふ化し、残りの1個は採取前から死んだ卵だった。7月4日にひな1羽が死んだが、過去のスバールバルライチョウのひなの飼育でも観察されたものであるとのこと。上野動物園では、6月5日に採取した卵5個全部が、6月27日から28日にふ化した。ニホンライチョウは絶滅危惧種であり国の特別天然記念物で、国内でふ化直前の卵を巣から採取して人工ふ化させた例はあるが、抱卵前に採取した卵から人工ふ化に成功したのは今回が初めて。

減少が心配されているニホンライチョウの保全に向けて、動物園がライチョウの飼育下での繁殖に取り組んでいく保護増殖事業が5月25日に発表され、29日から進められている。これはライチョウを飼育下で繁殖させる技術を確立し、野生復帰させ得る資質を備えた生息域外個体群を形成、維持するとともに、動物園などでの普及啓発を推進するのが目的。さらに生息状況の把握や生息環境の維持と改善なども行われる。

両施設によると「ふ化したヒナは、ふ化後2週間程度が特に体調を崩しやすいので、注意深く飼育、観察していきたい」とのこと。今後の状況についてはそれぞれの施設のホームページで案内される。

画像映像提供:富山市ファミリーパーク