石西礁湖海域のサンゴ白化現象 WWFが所感表明
WWFジャパンは、石垣島白保地区に「WWFサンゴ礁保護研究センター(しらほサンゴ村)」を設置し、長年その調査研究と保護活動に取り組んできた。センター長の鈴木倫太郎氏は環境省の発表に対して「むしろ3割回復している方が驚き」とコメントし、生き残っている3割のサンゴの回復力と、それを守り育てる取り組みに注目したいとした。
サンゴの白化は、高い水温に長くさらされたサンゴが強いストレスにより、色が白くなって衰弱する現象。白化したサンゴは海水温が下がれば回復するが、海水温が高い状態が続き、繰り返し白化すると死滅してしまう。2016年はグレート・バリア・リーフをはじめ、世界各地のサンゴ礁で白化現象が見られた。
石西礁湖海域は、前年の冬が暖かかったために海水温が下がらないまま夏を迎え、7月中旬から白化が目立ちだした。9月に入るまで台風の接近がなく、長期間にわたって高水温の状況が続き、8月には白化した状態から死滅したサンゴも多く見られたという。
今回の環境省の調査は11月から12月にかけて行われ、2016年度では3回目。調査対象となったのは石西礁湖内の35地点。今回の調査では平均白化率(全サンゴで少しでも白化の見られる群体が占める割合)が91.4%だった。9月から10月にかけて行なった2回目の調査結果と比較すると、全体が死亡した群体の割合が56.7%から70.1%に増加した。
画像提供:環境省