花粉症対策に役立つ! 花粉情報サイト3つの特徴を紹介
花粉症の人にはつらい季節がやって来た。ちょうどピークを迎えようとしているスギ、ヒノキ花粉症の人は、日ごろの対策のために情報収集が欠かせない。朝のテレビ番組でチェックする人もいるかもしれないが、今回は記者が使ってみて役立った花粉情報サイトを3つ紹介したい。それぞれ異なる視点で情報発信しているので、目的に合わせて役立てたい。
(1)長期予測や対策アドバイスも 日本気象協会の「tenki.jp」
tenki.jpは、日本気象協会が運営する天気予報のサイトだ。普段は天気予報や防災情報などを掲載しているが、季節特集として1~5月は花粉情報を掲載している。全国各地の花粉飛散状況を「飛散開始前」「少ない」「やや多い」「多い」「非常に多い」「ほぼ終了」の6段階の絵文字で表している。その日の予報だけでなく、2017年の花粉飛散の開始時期やピーク予測、前年度と比べて今年はどれくらい多く飛散するのかといった予測も掲載している。
特徴としては、地域の特性を反映して北海道はスギ、ヒノキ花粉ではなく、シラカバの花粉飛散情報になっているところだ。また、医師による花粉症対策のアドバイスも載っているので花粉症でお悩みの方は必見。
tenki.jp(日本気象協会)
https://tenki.jp/pollen/
(2)科学的で正確な情報を提供 花粉情報協会「花粉いんふぉ」
「花粉いんふぉ」はNPO法人花粉情報協会が運営する花粉症情報サイト。スギ花粉の飛散開始マップを2005年から掲載している。観測は、各地域にある花粉症研究会や病院、大学の医学部でボランティアが協力して実施している。
同協会のサイトは、科学的で正確な花粉に関する情報を提供しているのが特徴だ。協会が花粉飛散前にスギ・ヒノキ花粉飛散予測セミナーも開催し、製薬会社や薬品問屋、医療関係者向けに花粉飛散状況などを提供しているほか、講演会の開催、講師の派遣も行い、花粉観測技術の育成や科学的観点に立った情報を提供している。同協会から情報提供を受けて、製薬会社のホームページではより詳細な花粉症に対する情報が提供されているので、こちらも併せてチェックしておきたい。
花粉いんふぉ(花粉情報協会)
http://pollen-net.com/
花粉症ナビ(協和発酵キリン)
http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/hisan/
(3)詳細・マニアックな情報も 環境省の花粉観測システム「はなこさん」
「はなこさん」は環境省の花粉観測システムの愛称。毎年、花粉シーズンに公開しており、今年は2月1日から今シーズンの飛散状況の提供を開始している。2月17日からは東北地域の状況が提供されており、3月15日から北海道の飛散状況が提供される予定になっている。
他の花粉情報サイトと異なる点は、他のサイトは花粉の量を絵文字で表現しているのに対し、はなこさんは飛散量を赤い丸の大きさで表現。またその周辺の風速や風向きも一緒に表示されているので、山間地からどのくらいの風が吹いているのかが分かる。また、地図表示だけでなく、観測地点での過去7日間の時系列データや今シーズンの時系列データをグラフとして見ることができるので、自分の住んでいる地域の花粉飛散量を徹底的に解析したい人にはお薦めだ。
同システムは、花粉症の軽減など国民の健康維持に資するために、環境省が収集している情報をまとめて閲覧できる。2002年に始まり、関東地域から順次、全国各地に花粉自動計測器を設置し、花粉飛散データを自動的に収集。2007年には北海道・東北地域にも花粉自動計測器が設置され、スギ花粉の少ない沖縄を除いて、全国120地点で花粉飛散状況を把握できる体制が確立した。花粉自動計測器は花粉発生源である山間部と人口が集中している都市部に設置され、スギ、ヒノキの花粉の飛散数を観測。そのデータとアメダスやレーダー観測によって得られた気象データを組み合わせて、花粉症の人が多く居住する都市部の花粉飛散状況、山間部から都市部への花粉の移動する風向、風速の状況、花粉の飛散に影響する観測地点近隣における気温、降水量の状況などをリアルタイムで提供している。樹種ごとの花粉の形や花粉の捕集の方法など少しマニアックなことも載っているので、興味のある人にはお薦めしたい。
環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)(環境省)
http://kafun.taiki.go.jp/index.aspx
花粉情報サイト3つにはそれぞれの特徴がある。それを踏まえ、目的に合わせて役立てたい。