中国版無人宇宙補給線「天舟一号」 打ち上げに成功
中国航天科技集団公司は20日、日本の「こうのとり(HTV)」のように物資を軌道上に運ぶ、中国初となる無人の宇宙補給船「天舟一号」の打ち上げに成功したと発表した。今後、昨年打ち上げられた宇宙実験室「天宮二号」とドッキングや推進剤の補給テストを行い、中国独自の輸送経路を開くことを目指している。
天舟一号は、20日午後7時41分(日本時間午後8時41分)、南部の海南島にある文昌発射場から、巨大な轟音とともに長征七号ロケットで打ち上げられた。長征シリーズとして247回目の飛行となる。
「天舟」シリーズの補給船は今後、中国の宇宙ステーション建設のための物資を運ぶ任務を負っている。また、日本の「こうのとり」は軌道上で推進剤を補給できないが、「天舟」シリーズは推進剤の補給も担う計画だ。この技術は、宇宙ステーションを長期的に支えるために、最も重要な技術の一つといえる。
「天舟一号」は「天宮一号」をベースに開発されており、貨物モジュールと推進モジュールから構成される。全長は10.6m、最大直径は3.35m、重量は13トンで、中国が打ち上げる宇宙船としては最大級。6トンの貨物を積載して送ることができる。ちなみに、「こうのとり」の全長は9.8m、最大直径4.4m、重量は10.5トンで、同じく6トンの貨物を積載可能だ。
有人宇宙計画の副司令官を務める中国航天科技集団公司の雷凡培会長は、「中国は2022年ごろには、軌道上で宇宙ステーションを完成する計画だ。天舟の初飛行ミッションが成功すれば、中国の有人宇宙計画『三歩走』戦略(921工程)の第二段階が問題なく完了したことになる。これは、後に続く宇宙ステーション計画の作業の円滑な実施のために極めて重要な意味を持つ」と述べた。
画像提供:中国航天科技集団