【世界が見える! 米株ウォッチ】2万1000ドル回復、仏大統領選の結果見極めたい
アメリカ株式市場で見る世界動向通信
5月1~5日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価(30種)は、堅調な決算や雇用統計などの指標に支えられ、2万1000ドル台を回復した。7日に控えるフランス大統領選の決選投票への様子見ムードから、取引を手控える動きも目立った。
1日のダウは前週末比27.05ドル下落の2万913.46ドルだった。米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、投資家が取引を手控える形となった。3月の米個人消費支出が市場予想を下回り、消費拡大の先行き不安が広がった。上昇が続いていた航空機大手ボーイングが利益確定のため売られた。アップルやフェイスブックなど決算発表が予定されている銘柄が期待先行で買われ、ハイテク株が多く含まれるナスダックは最高値を更新した。
2日は小幅に反発、2万949.89ドルだった。FOMC前の様子見ムードと合わせて、取引時間終了後のアップルの決算を見極めたいとの思惑も広がった。4月の米新車販売台数が大幅不振で、自動車関連が売られた。増益決算となった革製品のコーチが大幅に上昇した。
3日のダウは小幅に続伸、2万957.9ドルだった。期待されていたアップルの決算は予想を下回る結果となり、売られる形となった。FOMCでは1~3月期の経済成長の鈍化が一時的なものであるとの見方が示され、市場に安心感を与えた。
4日は反落、2万951.47ドルだった。原油の急落を受け、エネルギー関連の銘柄が売られた。オバマケア代替法案が下院を通過したことで、ヘルスケア関連が買われた。翌日5日発表の4月の米雇用統計と、フランス大統領選の決選投票を目前に控え、様子見姿勢が強まっている。各企業の決算は堅調な結果が多く、個別銘柄の物色をする動きが続いている。
5日のダウは反発、2万1006.94ドルで取引を終えた。2万1000ドル台を回復し、約2カ月ぶりの高値となった。雇用統計が予想を上回る良好な結果だったことが好感された。急落していた原油が値を戻し、安心感が広がった。ただ、7日に実施されるフランス大統領選の決選投票を控え、引き続き様子見ムードが強い。
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