日本語教育が必要な子ども、2割に教育行き届かず 文科省調査
文部科学省は13日、「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」の2016年度の結果を公表した。日本語指導を必要とする児童の母数に対し、特別な指導を受けている児童の割合が8割にとどまり、前回調査からは4ポイント以上減少したことが分かった。
全国の公立小、中、高校、義務教育学校、中等教育学校および特別支援学校に在籍する児童のうち、日本語指導が必要な外国籍の児童は3万4335人で、前回調査を行った2015年の時点から5137人増加した。また、日本国籍ではあるが日本語指導が必要な児童は9612人で、こちらも同1715人の増加となった。このうち、特別に指導を受けている児童は、外国籍で2万6410人の76.9%(前回82.9%)、日本国籍7137人で74.3%(同78.3%)と、どちらも4.0ポイント以上減少している。
日本語指導が必要であるとする判断は各校でされており、「児童生徒の学校生活や学習の様子から判断」する学校が8064校と最も多く、次いで「児童生徒が来日してからの期間」、「日本語能力測定方法により判断」が続いた。
一方、必要だと判断されても指導が行き届いていないという実情も浮かび上がる。日本語指導が必要であるが、学校での特別な指導を受けられていない場合の理由として、「日本語指導を行う指導者がいない」という答えが2491校と最多だった。一方で、次に多かったのが「在籍学級での指導で対応できる」と判断されるケースで1907校に上った。
また、日本語指導が必要な児童生徒の母国語をみると、外国籍ではポルトガル語が25.6%で最も多く、日本国籍ではフィリピノ語が31.6%を占める。都道府県別の在籍状況では、愛知県9275人(外国籍7277人、日本国籍1998人)、その次が神奈川県5149人(同3947人、1202人)と、この2県が群を抜く在籍数となっている。
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