日本列島で起こる地殻変動、フィリピン海プレート由来と解明 産総研
産業技術総合研究所は、日本列島を東西方向に押し縮める地殻変動の原因が、これまで考えられてきた太平洋プレートではなくフィリピン海プレートであることが分かったと6月29日に発表した。
この地殻変動は「東西短縮地殻変動」と呼ばれ、約300万年前から続いており、日本の急峻な地形や地震発生の原因となっている。これまで太平洋プレートの動きが原因だと考えられてきたが、太平洋プレートの動きは4000万年前から一定していることから、この説では東西短縮地殻変動が300万年前から始まったことと整合性が取れないという問題があった。
今回、研究グループは木製の模型を使ったシミュレーションを実施。実際のプレートの固さや動き方、海溝や断層の状況、地震発生状況などと合致するように模型の修正を重ねた。その結果、フィリピン海プレートが北西方向に動くのと連動して、東北日本(フォッサマグナ以北の領域)が西に動くことが確認された。東北日本が西方向に動いているものの日本海地下の基盤が固いため、東西方向に縮むことになっていると説明した。
研究グループは、今回明らかになったプレートの動きや地殻変動の関係をもとに、日本列島周辺で起こっている現象を説明していくとしており、今後、将来的な地質学的シナリオが推定できるようになるという。
画像提供;産業技術総合研究所(日本列島周辺のプレート運動と頻発する内陸地震)