地下鉄1001号、しんかい2000など本年度の機械遺産を認定
日本機械学会は24日、2017年度の機械遺産に国産初の地下鉄車両「モハ1000形1001号」、有人潜水調査船「しんかい2000」、
同学会は、歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的として、日本国内の機械技術面で歴史的意義のある「機械遺産」を認定している。2007年から継続的に実施され、昨年までに計83件を認定、今回の認定で合計90件となる。
地下鉄車両「モハ1000形1001号」は、東京地下鉄道が1927年に東洋初の地下鉄として営業を開始したときから上野~浅草間を走行した車両。その後、約40年間一貫して営団地下鉄(現・東京メトロ)銀座線で活躍した。現在は地下鉄博物館(東京都江戸川区)に所蔵されている。2017年3月に重要文化財に指定された。
有人潜水調査船「しんかい2000」は、「しんかい」(1970~1976)の後継機で、1981年の完成から20年以上の長期間にわたって海洋科学技術センター(現・海洋研究開発機構)で運用されてきた。潜水深度が「しんかい」の600mから2000mへと拡大。深海研究の進展や海洋資源探査に大きな役割を果たした。新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)で常設展示を行っている。
勝鬨橋は築地と月島を結ぶ隅田川にかかる可動橋で、1940年6月に開通した。国内最大規模の可動支間51.6mを有する。物流の変化により1970年11月に開橋が停止されたが、それまで開橋に関する事故は一度も発生しなかった。2007年に重要文化財に指定された。
その他の2017年度の機械遺産として、奥田トンネルのジェットファン換気システム(大阪府茨木市)、鋳造用砂型の造型機械(愛知県豊川市)、農産物の組み合わせ計量機(滋賀県栗東市)、全自動手袋編機(和歌山市)が認定された。
参考記事
日本初の地下鉄車両1001号車、重要文化財指定へ(2017/03/13)
国立科学博物館で企画展「日本の先端科学技術の紹介」(2016/08/01)
画像提供:日本機械学会(ホームページより)