日本人女性、パートナーからの暴力を隠す傾向 龍谷大調べ
龍谷大学の津島昌寛教授と浜井浩一教授は3日、女性に対する暴力被害の実態調査の結果を発表。日本の女性は欧州の女性と比べ、パートナーから受けた暴力を隠す傾向が強いことなどが分かった。
調査では、日本における女性への暴力被害の実態を調査するとともに、欧州連合(EU)諸国と比較した。調査対象は、近畿圏在住の18歳以上75歳未満の女性2448人。女性調査員による訪問調査により741件(回収率30.3%)の有効回答を得た。
その結果、身体的・性的暴力やストーカー、セクハラなど、暴力の形態に限らず、暴力を受けた経験がある日本人女性の比率は、全項目でEU諸国の約半分にとどまり、暴力被害そのものはEU諸国と比較すると少なかった。
一方で日本人女性は、パートナーから深刻な暴力を受けたと回答した53人のうち、警察に通報した女性は0人。調査書では、「EU諸国と比べ日本では、夫婦などパートナー間で起きた暴力は表に出にくい」と指摘している。
15歳以降、パートナーから受けた最も深刻な暴力を警察に通報した女性の比率(龍谷大の資料を基に作成)
(冒頭の写真はイメージ)