絶滅種カワウソ、対馬で発見 琉球大が動画で確認
琉球大学は、長崎県対馬にツシマヤマネコの生態調査のため設置していた自動撮影カメラに2月6日、国内絶滅種のカワウソが映っていたと17日に発表した。日本ではカワウソは絶滅したとされており、1979年に最後の生きたカワウソが高知県で確認されて以来、38年ぶりの生体確認となる。
今回撮影された個体の種類は明らかになっていない。同大によると、ニホンカワウソが対馬において細々と生き残っていた可能性、ユーラシアカワウソが韓国から泳いで渡ってきた可能性、海外から何らかの人間活動によって移動してきた個体がいた可能性の3通りが考えられるという。環境省が7月からカワウソのフンや巣を探す痕跡調査を始めており、新鮮なフンが発見されればDNAから詳しいことが分かる可能性があるという。
日本のカワウソは明治時代までは日本全国に生息し、対馬にも江戸時代までは生息していた記録がある。毛皮や薬種を目的とした狩猟と生息地破壊によって四国以外では1960年頃までに絶滅、四国でも1990年代までに絶滅したと考えられている。環境省のレッドリストではニホンカワウソの本州以南亜種、北海道亜種が2012年に絶滅種に指定されている。
画像提供:琉球大学