レアメタルはもう要らない! 新しい蓄光システムを開発 九大
九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターの研究グループは3日、有機材料を使った蓄光システムの開発に世界で初めて成功したと発表した。この有機蓄光システムは従来の蓄電材料とは異なり、レアメタルを一切含まず簡便なプロセスで合成できる。また、塗料や繊維などの新しい用途への応用も期待できるという。この研究結果は同日、国際学術誌『ネイチャー』のオンライン版に掲載された。
蓄光材料は太陽光や照明の光を蓄え、数時間の発光が可能なことから、時計の文字盤や非常誘導灯などに利用されている。しかし、従来の合成には高価なレアメタルが必要で合成プロセスが複雑なため、蓄光材料の用途は限られていた。
同研究グループは今回、単純な構造の2つの有機分子を混合することで蓄光発光が得られることを発見。用いる2つの有機分子は簡便に合成が可能で、かつ複雑なプロセスは不要だという。また、今回解明した蓄光メカニズムは透明で、可溶性と柔軟性があり、色の調整もできるため、今までの無機蓄光材料では不可能だった塗料や繊維、バイオマーカーなどへの応用も期待される。
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