肺がん患者「飲食店で受動喫煙」87% 日本肺がん患者連絡会調査
日本肺がん患者連絡会が、肺がん患者を対象にした受動喫煙に関するアンケートの結果をこのほどまとめた。罹患後に職場で受動喫煙した人が3人に1人に上ったほか、受動喫煙をした場所は飲食店が86.5%と最多だったことが分かった。
調査は肺がん患者を対象に、5月28日~6月1日にかけてインターネットで実施。215人が回答した。
受動喫煙に対する印象は「不快」という回答が91.6%と大半を占め、元喫煙者の患者からも、喫煙していた時は気にならなかったが体が受け付けなくなったという声や、病気が悪化するのではないかと恐怖感があるという声があった。
肺がん罹患後に受動喫煙をした場所は、飲食店が最多で86.5%に上った。次いで路上(61.8%)、その他(28.3%)、公園(22.3%)、職場(14.1%)、家庭(6.5%)と続いた。患者の50代女性は「居たたまれなくなって、逃げるように店を出ます。気管も手術した肺も痛みます。肺がんになって、自分の体で学びました、たばこは毒でしかないんです」とコメントしている。
肺がん罹患後に職場で受動喫煙にあったと回答した人は3人に1人(31.7%)に上り、中には受動喫煙が原因で仕事を辞めざるを得なかったケースもある。アンケートに回答した50代女性は、勤め先の喫茶店で受動喫煙、肺がんにかかり、手術後に職場復帰したものの再発。上司に分煙を相談したが「客や売り上げが減るから」と言われて実現せず、病気再発への不安などから復職をあきらめたという。一方、別の50代女性は「就労場所は分煙には程遠い環境で、急性気管支炎になり、上司に退職覚悟で訴え、分煙してもらった」ものの「口に出して言えない雰囲気がまだまだあります」と回答した。
職場での受動喫煙にあった際、「言い出せない」という回答も多く、日本肺がん患者連絡会は「状況を変えるには、やはり法整備が必要。一人一人が言い出しやすくなる」としている。
(写真はイメージ)