「歩き方」から個人認証 深層学習により大幅な精度向上
大阪大学産業科学研究所の八木康史教授らの研究グループが、AI(人工知能)技術を用いた「歩容認証」技術を開発。8日に情報処理学会コンピュータビジョンとイメージメディア研究会で発表された。この技術では、歩く向きが異なる人物映像からでも高精度に個人認証が可能となり、科学捜査技術などへの応用が期待される。
人の歩き方(歩容特徴)は、服装や髪型とは異なり個人に備わっている特徴。そのため、防犯カメラなどで遠方から撮影した低解像度の映像からでも認識でき、個人認証を行う上で非常に実用的な特徴として注目されていた。しかしカメラが人物を正面から捉えるか、横側から捉えるかで、人物の見え方が大きく異なるため、認証技術精度の向上が求められていた。
同研究グループは独自の深層学習(ディープラーニング)モデルを導入。手の振り方や脚の振り幅などの特徴を比較することで、歩く向きが異なる映像に対しても同一人物であるかどうかを認識できる高精度な技術を実現した。歩容認証は犯罪捜査だけでなく、商業施設での施設誘導や病院施設などでの利用者ケア支援などへの応用にも期待されている。
(写真はイメージ)