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世界遺産の名に恥じない実力、岐阜県白川郷

今年1月17日~2月14日の土日に開催された岐阜県大野郡、白川郷ライトアップの入場者数が7日間で4万4700人に上り、過去最多だった3年前と比べ、約3000人が増えた。海外からの観光客も多い。白川郷観光協会によると、今年に入り、村内の宿泊先やアクセス方法を問い合わせる海外からのメールが殺到しているという。筆者がこの村を訪れた日もやはり、周囲で飛び交う言語は、欧米諸国のみならず、中国語や韓国語、それ以外のアジア圏の言葉だった。

外国語対応、もてなしも充実

こうした海外の観光客への対応も充実している。例えば、観光バスが到着する観光案内所にある萩町の合掌集落の地図だ。英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語のほか、韓国語にタイ語、中国語など8カ国語のものがそれぞれ印刷され、設置されている。また、駐車場の公衆トイレ内の案内板も8カ国語で書かれていた。
重要文化財である合掌造りの家を、みやげもの店や喫茶、食堂として利用するだけではなく、展示館やイベント、合宿などにも活用している。集落の中には民宿や温泉もある。4年前まで住居にしていたという民家を訪れた。300円の入館料を支払うと、暖かい飲み物をサービスしてくれ、当時のままの合掌造り内部を見学できる。梯子の階段で3階まで上れるようになっている。1階には囲炉裏端があり、主人が旅人をもてなす暖かい火を起こしてくれていた。

雪深い山奥に、押し寄せる人々

世界遺産の名に恥じないだけの実力を備えた白川郷は今年で世界遺産登録から20年がたつ。真冬は豪雪となり、純白の世界だ。他では見ることのできない空間美を見せてくれるのも魅力のひとつだろう。
雪深い山奥の、一見閉ざされたように見えるこの村に、世界の人々が後を断たずに押し寄せてくるようになると、誰が予測しただろうか。この日も白川郷せせらぎ公園の駐車場は、各地からの観光バスや一般の乗用車で常に満車という状態だった。2月にはKDDIとも協定し、通信インフラの整備にも余念がない。3月14日の北陸新幹線の開通により、観光客の動きはさらに活発になるとみられる。

白川郷