外国人採用、東南アジアに期待の傾向 社内活性化など好影響
就職支援サイトを運営するディスコ(東京都文京区)は19日、大卒以上の外国人の採用実態に関する調査結果を発表した。2017年度に採用した留学生の出身国別では中国が62.6%で最多となったが、今後採用したい留学生は東南アジアが75.4%で最多となった。また、海外大学卒の外国人についても、東南アジアが最も重視されていることなどが分かった。
留学生を2017年度に採用した企業は35.4%、2018年度に採用する企業は57.8%となった。留学生を採用したことにより、日本人社員への刺激・社内活性化(66.3%)や、異文化・多様性への理解の向上(61.6%)といった好影響が見られている。
留学生の2017年度の採用人数は、1人が48.5%、2~3人が35.1%だった。採用する目的は、「優秀な人材を確保するため」(文系71.0%、理系79.7%)が最多で、求める資質は「コミュニケーション能力」(文系62.9%、理系50.3%)が最多だった。東南アジア出身の留学生を国別に見ると、ベトナム出身(2017年度19.2%、今後32.8%)が最も多かった。
一方、留学生採用については問題も挙げられており、「言葉の壁による意思疎通面でのトラブル」(68.6%)、「受け入れ部署の負担増」(51.4%)、「文化・価値観、考え方の違いによるトラブル」(48.6%)が多かった。
海外大学卒の外国人については、2017年度に採用した企業は20.1%、2018年度に採用する企業は34.7%だった。ウエイトを置いている外国人材の出身地は、東南アジアが64.6%(昨年度75.6%)で、減少してはいるものの最も多く、中でもベトナムは増加している。中国は46.3%(昨年度35.9%)で、東南アジアとの差が縮まった。
外国人社員受け入れのための取り組みとして、日本語コミュニケーション能力の研修(13.0%)などを実施した企業が見られたが、74.3%の企業が取り組みを実施していなかった。外国人社員の採用活動の課題として、「社内の受け入れ体制が未整備」(45.0%)、「優秀な学生の能力判定が難しい」(34.3%)、「求める日本語コミュニケーション能力を有する人材が少ない」(29.0%)などが挙げられた。
調査期間は11月27日~12月5日。全国の主要企業2万462社を対象にインターネットにより調査し、611社から回答を得た。
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