遺伝子組換え植物、生物多様性に影響なし 農水省調査
農林水産省は6日、「平成28年度遺伝子組換え植物実態調査」の結果を発表した。同省は2006年度以降、セイヨウナタネやダイズの輸入港周辺地域で、遺伝子組換え植物の生育範囲や交雑の有無などを調べているが、今回は生物多様性への影響は認められなかった。
日本では、遺伝子組換え農作物等について、その系統ごとに法律に基づき、食品・飼料としての安全性や生物多様性への影響(運搬時にこぼれ落ちた種子が生物多様性に及ぼす影響を含む)について科学的な評価を行っている。その結果、影響がないと判断された場合に初めて、食品としての使用、栽培、加工、保管、運搬及び廃棄などを承認している。
今回は、すでに承認されている遺伝子組換えセイヨウナタネや遺伝子組換えダイズにより、生物多様性への影響が生じていないかが調査された。2015年度までの調査では、主に陸揚げ地点に近接する幹線道路沿いの植栽帯付近でこぼれ落ちたとみられる遺伝子組換えセイヨウナタネや遺伝子組換えダイズの生育が確認されていたが、2016年度はそれらの生育拡大や近縁種との交雑は認められなかった。農水省は、遺伝子組換え農作物等が生物多様性に及ぼす影響に関する科学的知見を一層充実させるため、引き続き調査を実施するとしている。
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