公共交通機関を無料化? ドイツで大胆な大気汚染対策案
ドイツ連邦政府は13日、懸案となっている大気汚染対策として、国内の複数の都市で公共交通機関の無料化を検討している旨をEU委員会に提出した。15日付のフランクフルター・アルゲマイネ紙オンライン版が報じた。
ドイツでは、国内70都市で空気中の酸化窒素による大気汚染が問題となっている。特に深刻な都市は大手自動車メーカーのあるミュンヘンとシュトゥットガルト。EU委員会は、大気汚染問題に対するドイツのこれまでの努力を「不十分」と見ており、欧州法廷でドイツに対し厳格な自動車交通規制を求めて訴える可能性も高まっている。
今回のEUへの書簡でドイツ政府は、ボン、エッセン、マンハイムなどの5都市で試験的に公共交通機関の無料化を実施し、自家用車の使用量減少を目指すとしている。しかし財源に関することや、名前が挙がっている5都市で実際に実施されるかどうかは不明瞭で、専門家からは「公共交通機関の無料化は大気汚染対策に有効な手段とは言えず、アルコール消費量を減らすためにコーラに助成金を出すようなものだ」との批判の声が挙がっている。
画像提供:ドイツ鉄道