トキ9羽が順調に育つ 多摩動物公園

東京動物園協会は8月24日、多摩動物公園(東京都日野市)にて今年産卵してふ化した9羽のトキが、すべて無事に育っていると発表した。このトキは佐渡トキ保護センターから預かって、非公開で飼育を行っているもの。4組のペアのうち3組が生んだ卵がふ化した。

トキはペリカン目トキ科。野生のトキは20世紀初頭には東アジア一帯に広く分布していたが、乱獲と生息環境の悪化により中国を除き一旦絶滅した。その後の保護活動や野生復帰の取り組みにより、現在は中国陝西せんせい省の洋県と寧陝ねいせん県付近、および新潟県佐渡付近にのみ、野生のトキが生息する。

トキは、単独の施設で飼育すると感染症の発生にともない全滅の恐れがあるため、複数の施設に分散して飼育するようにしている。都立動物園は40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績があり、さらに多摩動物公園には保全活動の調整機能をもつ野生生物保全センターがある。多摩動物公園では2007年12月からトキを飼育し、毎年繁殖に成功している。

なお、トキの飼育は環境省の方針により非公開となっていて、来園者が見ることはできない。

(写真はイメージ)