• HOME
  • 科学・技術
  • 中央大が初の大学ベンチャー設立 人工筋肉を使ったロボット実用化へ
中央大発ベンチャー設立 人工筋肉を使った生物型ロボット実用化へ

中央大が初の大学ベンチャー設立 人工筋肉を使ったロボット実用化へ

中央大学理工学部精密機械工学科の中村太郎教授と山田泰之助教らが、人工筋肉や生物型ロボットの研究成果を基にしたベンチャー企業「SoLARIS(ソラリス)」を設立した。23日に中央大学が発表した。同大において大学所属の教員による研究成果を基としたベンチャー企業の設立は初めて。

中村研究室では生物の筋肉のように柔軟軽量で高出力な空気圧人工筋肉の開発に成功。空気圧を用いた人工筋肉やミミズや大腸の柔らかい運動をモデルとした蠕動ぜんどう運動型ロボットや、生物型のソフトロボット(柔らかいロボット)などを研究してきた。今後の応用分野として、人工筋肉を利用して人体に装着して力仕事を手助けするパワーアシストシステム、ガス管や換気ダクトの点検・清掃に利用できるミミズ型蠕動ロボット、大腸型蠕動運動ポンプを利用した高粘度の流体の混合・搬送などが検討されている。

中でも、大腸型蠕動運動ポンプについては、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同開発でロケット用固体燃料の製造と搬送の実証実験に成功。従来の方法では燃料の攪拌かくはんに金属のブレードを用いていたが、蠕動運動ポンプを用いることで包み込むように揉み解すことができ、しかもロケット本体までの搬送まで可能となった。同ポンプにより、ロケット燃料を安全で連続的に攪拌・搬送でき、固体ロケットの抜本的な低価格化による普及が期待される。

中央大発ベンチャー設立 人工筋肉を使った生物型ロボット実用化へ
空気圧人工筋肉

中央大発ベンチャー設立 人工筋肉を使った生物型ロボット実用化へ
装着型パワーアシストシステム

中央大発ベンチャー設立 人工筋肉を使った生物型ロボット実用化へ
大腸型蠕動運動ポンプ

画像提供:中央大学
(冒頭の写真はミミズ型蠕動運動ロボット)